Les Jeunes Années ep-L’INVENTION DE MOLEL(7inch)

フランス・激情ハードコア/エモバンドが唯一残した4曲入りシングル。1995-1997年に活動し、1996年にリリースされたデモの音源化だが、デモより1曲少ないのが残念。Finger Print, Jasemine, Anandaのメンバーが在籍。
実は10年前にレビュー済みだが、再掲載(前のレビューは削除)。文章力も当時とあまり変わらんが、当時よりも情報が集まった事はネット時代が加速した証拠。劇的な展開に混沌さと初期衝動的な雰囲気が詰まったサウンドで、悲痛な激情メロディーや情感溢れる展開は壮絶。フランス語の語感が魔力的な魅力で感情に訴え、音の悪さが雰囲気を煽り、プラスイメージをもたらす。B面ラスト曲"s'approprier"ではギターの残響音を残すアウトロと重なりながら異質のサウンドがボーナストラック的に登場。それはアフリカ系アメリカ人のギル・スコット-ヘロンが残した名曲"The Revolution Will Not Be Televised"。ジャズファンク・シーンきっての詩人でラップの先駆者でもある彼が発するアメリカ公民権運動を彷彿とさせる演説調ボーカル、独特なリズムを刻むベース、穏やかな音色のフルート音、当時のアメリカ世相を痛烈に非難する歌詞、英語が分からなくても伝わる歌詞の威力、全てが強烈。そんな出会いを与えてくれたこの音源は自分にとって特別な一枚。
released by Unfortunate For The Fortunate Records in 1997