unfun/JAWBREAKER(CD)

unfun /JAWBREAKER(CD)

既に解散しているが、エモーショナル・パンク&ポストパンクを代表するバンドの1stアルバム。
元祖的評価を受けるバンドだが、個人的に初めて聴いたエモーショナル・パンクバンド点では、彼らと同じ時期に同地域であるアメリカ西海岸で活動していたSAMIANだ。New Red Archivesからリリースされた初期の2枚のアルバムはJAWBREAKERよりも若干パンク路線が強いが、彼らもエモーショナル・パンクの元祖的バンドだと思っている。誰も指摘しないし、関連付けもされないが、あの時代の米西海岸にはそういった流れやシーンが出来ていたのかも知れないな。
渋みのあるボーカルは個人的には苦手とするところで、実際に評価が高いバンドでも受け付けない場合が僕にはある。それは生理的嫌悪感かも知れないな。だけど、このバンドは全て受け入れられる。彼らの曲には全てを吹き飛ばす威力がある。何の違和感も無く、すんなりと受けて入れられた。人生最高の一枚の一つであり、彼らの音源は全てが最高だ。
80'後半から90'前半にかけて、パンクやハードコアを含むアンダーグラウンドシーンでは革新的なバンドが幾つも現れたが、彼らもその中の一つであるのは間違いない。彼らが革新的で斬新的なバンドだというのは歌詞にも現れている。歌詞にはボーカルであるブレイクが強く影響を受けたビートニクス文学の代表的な作家であるケルアックに影響されていて、彼ははこのアルバムリリースと同時期に英文学の修士号を取得していたという。
また、ワシントンスクエアで反戦スピーチを行っていたり、NOFX(90年前半の頃の音源は傑作。歌詞もポリティカルな面がある)のメンバーが主催しているPunk Voterでコラムを寄稿してたりと、活動的である。数年前にCIAの暴露本が米で出版されたが、タイトルがJAWBREAKER(日本の翻訳本はタイトルが違う)。因縁深いものを感じるのは僕だけだろうか?
JAWBREAKER解散後にブレイクはJETS TO BRAZILを結成したが、解散している。しかも、今の彼は大学教授であるという。
http://www.myspace.com/jawbreaker
http://www.punkvoter.com